ぱるねこ日記

SUBシステムを入れた猫

May 2019

2019年7月31日、パールは急性骨髄性白血病で亡くなりました。
1歳7ヶ月という短い命を、精一杯、生き抜きました。自慢の猫です。
パールが毛皮を着替えてもどってくるまで飼い主は待ってます。

術後②先生の説明

ひとしきりパールの震える姿を見た後、診察室へと案内されました。

手術中の写真やレントゲン、ところどころ動画もまじえつつ
手術開始から終了までどんな処置をしたのか
順をおってとても丁寧に説明していただきました。


「すごいな」


もう、この一言しかなかったです。
夫もとなりで「すげぇな」って連発してた。

医療技術がすごいし、繊細な作業もすごいし、なにより命を救う職業ってすごい。

4月28日、GW2日目。
連休なんて度外視で、世のため人のため動物のために働いてる人がいるんだな、と。

あとは、腎臓ってぷるんぷるんだなーとか、
膀胱に針刺しても割れないんだー(風船みたいなのイメージしてた)とか。
なかなかに興味深かったです。神秘。


不思議だったのは、尿管内に石が見あたらなかったこと。
A病院のエコー画像にはあきらかに写ってたんだけどな。
さわって確認したけどなかったらしい。流れたんだろうか。不思議。


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気がかりだった腎臓の機能については
・右はおそらく大丈夫
・左は死んではいないものの弱っている
とのこと。

というのも、手術の動画でも確認したんですが、右の腎臓にチューブをさしたときに、
かなりの量の尿がチューブからボタボタボタ~~と流れ出たんです。
でも左側はポタ、、ポタ、、ってほんの少ししか出てこなくて。しかも血っぽい色で。

おそらくもともと左側の腎機能が弱かったんだろう、と。
右が機能していたから問題なく過ごせていたけど
今回右の尿管が詰まりかけたことによって、両方の腎臓がおかしくなってしまい
一気に数値があがってしまったんだろう、と。

納得する説明でした。ストンと落ちた感じがしました。

実際こういうパターンは多いようです。片方が詰まり数値が上がってしまい
よくよく調べてみたら、もう片方はすでに機能していなかった、っていうパターン。
なるほどなぁ、と思いました。

B病院の先生、若そうなのにしっかりしていて、
話も分かりやすくて本当に信頼のおける先生でした。


あとは経過観察。
点滴をしつつ、順調に数値が下がれば3日くらいで退院できるよ、と。


最後にもう一度パールを見てから帰ることに。

あっ!こっち向いてる。

今度はこっち向いてぶるぶる震えてました。なんで向き変えたの??笑
わたしたちを見るやいなや立ち上がろうとするパール。驚くほど足をがくがくさせてる。

「いいから!立たなくていいから!無理だよ」

術後まだ数時間だよ。なんで立ち上がろうとするの。
痛いのか、目を細めて徐々に態勢を低くするパール。
でも横になることはせず、あくまで伏せたまま。

「いいから寝なよ、、、寝てよ」

いらないガッツを見せてくる。
なんだろ「別に平気だし、ぜんぜん痛くないし」ってアピールなのかな。
よく分からん。いいからゆっくり休んでよ。明日また来るから。

術後①手術が終わり...

4月28日 夕方


手術が終わりしだい連絡をいただけるということだったので
遅めのお昼を食べ、病院の駐車場で待機していました。


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のびのびパール。


17時半頃、先生から「無事に終わりました」と電話がありました。
よかった。ひとまず無事に終わった。


術後のパールと対面。


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唐突に絵ですみません…実際はエリザベスカラーつけてます。絵心なくて割愛。


え、、ちょっと、、、パール?笑


これ、けっこう衝撃的な光景でした。思わず笑った。
手術が成功してたから笑えるってのもあるけど、なんか笑った。
いまだに思い出すと笑えるし、写真とっておけば良かったって思う。
写真とる余裕なんてなかったんですけどね。


こちらに背中を向けてぶるぶる震えるパール。

手術中におなかの中を水?で洗うらしく、かなりの低体温になってしまうようで
「震えて一生懸命からだを温めているんですよ」と。
シバリングって言うらしい。へぇ。


「おーい、パール」

...ブルブル

「...パール?」

...ブルブル

「ちょ、、パール、大丈夫?笑」

...ブルブル  

「あの、先生、術後はみんなこんな感じですか??」

「みんなこんな感じです。ただ、普通はもっとぐったり横たわってますけどね。
こんなしっかりと自分の足で座ってる子はなかなかいないです。
やっぱりベンガルは本能が強いんですかね。ほかの猫とは気合いが違う。」


気合い、ですか。

どうやら麻酔から覚ますときも、普通は10分くらいかかるところ
パールはものの1分で目覚めたらしい。
先生たちも思わず「えぇ??嘘でしょ」って言ったとか言わないとか。
しかも、目覚めてすぐに「う゛ーーーーっ」って威嚇したとかしないとか。

なんちゅー猫。

そういえば避妊手術のときも、術後まだフラフラなくせに
やけにウロウロしてたな。


でも、先生いわく「こういう子が一番やっかい」なんですって。
ぎりぎりのぎりぎりまで我慢する(症状を隠す?)から、
本当にやばくなった時に急にバタンと倒れるって。
飼い主が状況を把握しにくいから手遅れになりがちってこと。


ちょっとの変化も見逃さないようにしないとな。
あらためてそう思いました。

SUBシステムについて

わたしなりの理解を書きたいと思います。

学術的なことについては、もっと詳しいサイトがあると思います。
あくまで飼い主目線でのまとめです。


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気持ちいいらしいパール。


SUBシステム手術というのは、
水腎症や尿管結石による尿管閉塞の治療を目的とした手術で、
腎臓と膀胱を人工チューブでつなぐ手術です。
尿管のバイパスをつくるイメージです。

腎臓と膀胱につないだ2本のチューブはそれぞれ
ポートといわれる直径1.5センチくらいの金属のパーツ部分でつながっています。
このポートは皮膚の下で固定するため、さわると分かります。ぽっこりしてる。


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B病院の先生の絵。分かりやすい。


これまでは尿管を切開して石を取り出す手術がメインだったようですが、
再発などの問題も多かったため、その代わりの治療法として
ここ5~6年で開発された手術とのこと。

皮下のポートからチューブを洗浄できるため、
石がつまってしまっても対処できるのがメリットです。

パールも石ができやすい体質のため、
今回、尿管から石を取り除いたとしても
恐らくまたつまってしまうだろう、ということで
SUBシステム手術をすすめられました。

先生曰く、手術自体はそんなに難しい技術を要するものではないそうです。
パールの場合は両側に入れて、2時間半~3時間くらいの手術でした。


もちろんデメリットもあります。


・傷口が大きい
15センチくらいかな。
猫の小さな体に対して、けっこうぎょっとする大きさです。


・頻尿になるかもしれない
膀胱がしぼんだ時に、膀胱内でチューブが壁にあたってしまい
ムズムズして残尿感があるようです。

術後3週間くらいになりますが、パールもずっと頻尿状態です。
おしっこしたばかりなのに、ずっとトイレでガサガサしてたり
おしっこポーズでじっとフリーズしてたり。
かわいそうだけど、どうすることもできない。

たまに血尿が出たりで、おしっこ系の悩みはつきないです。

あとはなぜかうんちの回数も増えました。
手術前は一日一回の子だったのに、今は4回くらい。
トイレの掃除が大変になりました。


・予後が分からない
5~6年しか歴史のない手術。
5年度、何が起こるのか、何も起こらないのか
データがないため分からない。

教科書的には2年に1回の入れ替えが必要とか。
実際は5年近く同じチューブを入れっぱなしでも
問題ない子のほうが多いそうです。

パールはまだ1歳と4ヵ月。
B病院でSUBシステムを入れた子のなかで、2番目に若いと言われました。
仮に10歳まで生きられるとしても、あと9年近くあるわけです。
もしかしたら入れ替えの手術が必要になるかもね、とのことでした。


・ポート洗浄が必要になる
これはメリットでもあり、デメリットでもありますね。
一生洗浄が必要になる。一生SUBシステムと付き合っていかなければいけない。
洗浄の頻度は、汚れがたまりやすい子であれば1~3ヵ月に1回。
問題がなければ半年に1回。もちろんその度に費用もかかります。


ざっと思いつく限りではこんな感じ。

生活していて一番大変なのは、やっぱりトイレ関係です。
おしっこもうんちも、圧倒的に回数が増えた。

おしっこの状態が分かりやすいように、
木くずになるペレットから紙のペレットへ変えました。
紙のペレットは軽いので、散らかりやすいです。トイレのまわりペレットだらけ。
回数も増えたから掃除機をかけてもかけても追いつかない…

今も試行錯誤中です。

あとは食事療法系ですかね。
長くなってしまったので、これはまた今後のブログで書いていきたいと思います。


大変なことも増えたけど、元気そうにしているパールを見ていると、
SUBシステムを選択して良かったと思います。

同じ病気で苦しんでいる猫ちゃんの飼い主さんへ向けて。
あくまで一例ですし、素人目線の情報ですが…
少しでも情報の足しになると嬉しいです。

手術まで⑫手術へ

4月28日 昼


迷いつつも無事にB病院へ到着。
待合室にはたくさんの人猫犬。びっくりした。
連休中に開いてるって本当に助かりますね。

受付で名前とA病院から来たことを伝えると
「あぁ、パールちゃんですね」と、話が通っている様子。
そこまで待つことなく診察室へと案内されました。


まずはこれまでの経緯を説明。
ここでもエコー検査をさせて欲しい、とのことでした。
(先生はみんな自分の目でエコー画像見たいんですね)
あとは手術しても大丈夫かどうかを判断するために別項目の血液検査をしたい、と。
血が止まりにくくないか、貧血じゃないか、とかを見るらしい。

いったんパールをあずけて待合室へ。


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かわいいパール。


検査の結果、3つの選択肢を提示されました。


1. SUBシステムを両側に入れる。
術後、腎臓が機能していない場合は透析治療を実施する。

2. 腎ろうチューブを入れて尿が出るかを確認する。
腎臓が機能していればSUBシステムを両側に入れる。

3. 点滴でもう少し頑張ってみる。


3はもう考えていないため、1か2になる。

結局のところSUBシステムしか術はないけれど、
入れたところで腎臓が機能していなければ意味がない。
ただ、現段階では腎臓が機能しているかを確認できない。

分からない状態でSUBシステムを入れてしまうか(1)
腎臓が生きていることを確認してから
SUBシステムを入れるか(2)、ということでした。

2は直接腎臓にチューブを刺して尿を抜き取るため、腎臓の圧を逃がすことはできるが、
麻酔が必要で急性腎不全のリスクもある。あくまで時間稼ぎでしかない。


であれば効率の良い1=即座のSUBシステム手術をお願いすることとしました。


ここからは万が一の話。
術後、腎臓が死んでしまっていた場合は人工透析が必要になる。
若い猫ちゃんの場合、集中的に透析をして
腎臓を休ませてあげることで、腎機能が復活する可能性があるらしい。
ただ、それなりに金額がかかる。

もし腎機能が復活しなかった場合、
週に3~4回の透析で命をつなぐことはできるが、
月に60万程かかる。
そんな猫ちゃんは飼えない、見守るしかない。

そんな説明をしてくださいました。


手術がうまくいくこと、腎臓が死んでいないこと。
あとは祈ることしかできない。

がんばれパール。


手術まで⑪B病院への転院

4月28日 朝


転院の相談をしにA病院へと向かいました。
診察室へ入ると、まずはパールの状態の説明から。

・BUN >140.0 判定不能 →  >140.0 判定不能(基準値:17.6~32.8)
・Cre 11.21 → 12.79(基準値:0.8~1.8)
・Na 151 → 146.8(基準値:147~156)
・K 7.0 → 5.40(基準値:3.4~4.6)
・Cl 121 → 115.8(基準値:107~120)

一番気がかりだったカリウムの数値が下がっており一安心。
尿管を動かす薬も投与してくれたようで、それが効いたのかな?
(先生曰く、その薬の効果の有無は正直微妙なところらしい…)

右の腎臓の拡張も少しだけおさまっているようでした。
エコー写真には尿管の石も写っていました。
石の手前で尿管の拡張が確認できるため、
おそらくここで流れが悪くなっているのでしょう、と。


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ごろごろパール。


今日明日で手術できる病院(B病院)が見つかったため
転院したい旨を伝えたところ、転院の最終確認として
先生から直接B病院へと連絡を入れてくださいました。

今から受け入れ可能とのことで、正式に転院決定。

なんとかギリギリ午前中には到着できそう。
パールを連れてB病院へと向かいました。

一晩ぶりに見るパール、元気そうだった。安心した。



ちなみに、A病院では入院の前金として5万円を支払っていました。
検査代と一泊の入院代だけであれば5万はかからないはず。
少なくとも1万は返ってくるかな、なんて淡い期待を抱いていたら、
まさかの足がでてました。追加の支払い。ひぇーー。

もし5/1まで入院して、手術(何度も言うが相場の2倍の額)して、
術後1週間入院して退院…ってなってた場合!!

総額いくらよ!!!と、かなり冷や汗ものでした。
まぁ、しょうがないんだけど。それにしても高い病院だった。
プロフィール

パールの飼い主

パール
2017年12月生まれ
ベンガル♀
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2019年4月末、1歳4ヵ月でSUBシステム手術をしました。

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